まず白髪染めをすることで白髪が増えるということはありません。
白髪の原因は、毛穴の奥にある毛根の毛母細胞にあるメラニンを作り出すメラノサイトが消失してしまったためなので髪の毛を染める白髪染めとは関係ありません。
白髪は少しでも生えていると気になりますし、白髪染めをする人はすでに白髪が増えはじめている状況です。何度か染めた後、髪の毛全体の状態をみたら、白髪の量が増えていたというのは、時間の経過で白髪が増えたということで、白髪染めのせいではありません。
同様に白髪を抜くと増えるという話も嘘です。
白髪を抜いたところでその白髪以外の髪の毛の毛根のメラノサイトが悪い影響を受けるわけではないので抜いたから白髪増えることもありません。
白髪を抜くことは白髪を増やすことにはなりませんが、その毛根が傷つくのは間違いないので、次に生えてくる白髪にウェーブがかかっていたり、または、毛母細胞が死んで髪が生えてこなくなります。
そのため白髪を見つけたら抜くのではなく切るというのが正しい対処方法です。
それからこれはご存知ない方が多いかもしれませんが、美白サプリを飲むと白髪が増えるという話もあります。原因は美白サプリに配合されている「Lシステイン」という成分なのです。
美白成分の多くはメラノサイトの活動を抑制するものですが、化粧品のように外用するものは問題なくてもLシステインのように内服するものは体全体のメラノサイトに影響するので毛母細胞のメラノサイトを抑制して白髪を増やすのです。
美白も大事だし、白髪予防も大事という状態だと思いますが、これについてはLシステインを内服するならビオチンという成分も一緒に服用することで対処できるのです。
補足;白髪にまつわる最新の学説
現在、白髪が発生するメカニズムとして最も新しい説は、DNA損傷説。紫外線などでDNAが損傷を受けることで色素幹細胞の自己複製機能が失われることで幹細胞が分化してしまい、枯渇してしまうということです。
また、毛根で17型コラーゲンというタンパク質が不足すると脱毛と白髪の原因になることがマウスの研究でわかっており、頭皮でこのコラーゲンを再生できるようになれば一部の脱毛や白髪を克服できるという研究結果もあります。
白髪に効く成分の研究としては、ビール酵母やサンショウエキスなどがメラノサイトの中のメラニン生成の指令を下す遺伝子を活性させる働きがあり、※白髪の改善に有効であることがあるのです。
(※あくまで毛根にメラノサイトが残っている場合のみです。)
というように白髪になるメカニズムは徐々に明らかになり、関係している成分などもわかってきているのが最新の白髪研究ですが、どうすればメラノサイトの消失を防げるかという根本的な改善策についてはいまだ研究中のようです。